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講師は、神戸大学大学院医学研究科 内科系講座 精神医学分野教授 曽良 一郎先生

第515回土曜健康科学セミナーレポート

10月22日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、第515回土曜健康科学セミナーを開催いたしました。
今回のテーマは、「睡眠薬、精神安定薬の適切な使い方」です。
講師は、神戸大学大学院医学研究科 内科系講座 精神医学分野教授 曽良 一郎先生

講師は、神戸大学大学院医学研究科 内科系講座 精神医学分野教授 曽良 一郎先生です。
※曽良先生について詳しくはこちら(神戸大学大学院医学研究科精神医学分ホームページ)
今回のテーマは、「睡眠薬、精神安定薬の適切な使い方」です。

最も原始的な睡眠薬、精神安定薬はアルコールですが、睡眠が浅くなり質を落としてしまう、不安や抑うつを一時的に和らげるが薬に比べて効果は不十分、結局は量が増えアルコール依存症になってしまうことがある…など、睡眠薬、精神安定薬の代わりに使うことはお勧めできません。
睡眠薬はよく処方される治療薬の一つですが、「服用するのが怖い」ランキングの常連でもあります。年齢とともに睡眠時間は短くなって当たり前なので、「若い頃のように長く眠りたい」と思わないこと。眠れなくて困った時は、朝日を浴びて、昼間光を浴びて活動し、夜は暗い所で過ごし、規則的な食事をとるという睡眠衛生の基本を心がけてください。

それでも治らない不眠には、睡眠薬を適切に使いましょう。医師の処方に従って服用すれば、過剰に心配する必要はありませんし、症状が改善すれば量を減らす、服薬を止めることもできます。

精神安定薬は、不安や緊張を和らげる薬です。本来は危険やストレスを受けることにより生じるはずの不安感が、はっきりとした理由もなく突然起こったり、頻繁に起こったりして日常生活に不安をきたすほど強い状態になる「不安障害」で用いられます。
眠気、ふらつき、めまい、脱力、倦怠感、易疲労感などが副作用として起こることもあります。短期間の服用では危険性は少ないのですが、大用量、長期期間に投与を続けると依存形成リスクが高くなります。

睡眠薬、精神安定薬は、成人の20人に1人が内服しているといわれるほどの身近な薬です。アルコールと併用すると大変危険ですが、医師に処方に従って適切に使用すれば、症状が緩和されますので、気になることがあれば医師に相談しましょう。

講義の後には、会場からの質問に丁寧にお答えいただきました。
講義の後には、会場からの質問に丁寧にお答えいただきました。

次回は、11月5日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「見逃してはいけない心臓弁膜症」です。講師は医療法人社団倫生会 みどり病院 院長 室生 卓 氏です。

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