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第528回土曜健康科学セミナーレポート

第528回土曜健康科学セミナーを、5月13日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「あなたの肝臓は大丈夫ですか?」と題し、近畿大学医学部 消化器内科講師 矢田 典久先生にご講演いただきました。
近年、脂質異常症、糖尿病、肥満といったメタボリックシンドロームによって起こる脂肪肝の一部が、肝硬変や肝がんのリスクの高い脂肪性肝炎に進むことがわかってきました。この肝炎は、ウイルスやアルコールを原因としない肝炎なので、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と呼ばれます。
ウイルスやアルコールを原因としない非アルコール性脂肪性肝(NAFLD)の方は、約1000万人と言われており、そのうち約80万人の方がNASHであると推測されています。正確な診断には、肝臓の細胞の一部をとる肝生検が必須ですが、疼痛や出血などのリスクを伴うため、血液検査や画像診断などの非侵襲的診断が現在開発中です。
NASHは肝硬変から肝がんを発症する割合が多く、メタボリックロームの増加で今後はNASH関連の肝がんが増えると予測されます。
日本人は肥満度が低くても脂肪肝に注意が必要な民族です。しかし、脂肪肝は、痛みなどの自覚症状が出ないため、気づきにくい疾患です。気になる方はエコー検査を受けるようにしてください。
予防のためにはメタボリックロームの改善、特に血糖値の管理が重要だと考えます。

 

 

 

次回は、5月27日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「腸内細菌と生活習慣病」、講師は神戸大学医学部附属病院 循環器内科准教授 山下 智也氏です。

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