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第529回土曜健康科学セミナーレポート

5月27日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、第529回土曜健康科学セミナーを開催いたしました。
今回のテーマは、「腸内細菌と生活習慣病」です。
講師は神戸大学医学部附属病院 循環器内科 准教授 山下 智也先生です。
現在の日本人の死因別死亡率は、動脈硬化性疾患を含む循環器疾患が約25%。要介護の原因の第1位は脳血管疾患で、生活習慣病が基になって起きる動脈硬化が要介護の大きな原因です。また、傷病分類別医科診療医療費でみると、約2割を循環器系の疾患が占めるそうです。
生活習慣病と呼ばれる疾患は、脂質異常症、高血圧、糖尿病などがですが、最近は数多くの薬剤が開発され、きちんと治療すればコントロールが比較的容易になっています。
しかし、これらの生活習慣病を発症する前に、腸内細菌の働きで予防できればと山下先生は研究をされています。先生は腸内細菌のもつ代謝機能や免疫調節機能などが、動脈硬化や心血管病の発症に関連しているのではと考え、冠動脈疾患に特徴的な腸内細菌叢のパターンを同定されました。さらに疾患に特異的な腸内細菌を特定し、腸内細菌叢に介入する動脈硬化予防法を開発されようとしています。
プロバイオティックスなどある食品成分の摂取により、腸から動脈硬化性疾患が予防できる可能性があり、医療費を増大させない疾患予防法として期待できるとまとめられました。未来が楽しみになるお話しでした。
次回は、6月10日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「子宮がんについて」、講師は西神戸医療センター 産婦人科医長 佐原 裕美子氏です。

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