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第544回土曜健康科学セミナーレポート

第544回土曜健康科学セミナーを、1月13日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「尿のトラブル解決&対処法-相談してみよう!尿漏れ、頻尿など」と題し、神戸市立西神戸医療センター 泌尿器科部長 伊藤 哲之先生にご講演いただきました。

尿のトラブルには、血が混じる(血尿)、出にくい(排尿障害)、漏れる(蓄尿障害)、近い(頻尿)、痛い(排尿痛)などがあります。
血が混じる(血尿)とき、目で見て尿が赤い(肉眼的血尿)場合は、泌尿器科を受診しましょう。検診などで見つかった尿潜血では、蛋白尿もある場合は腎臓内科を、蛋白尿はないが50歳以上で精密検査をしたことがない方は泌尿器科の受診をすすめます。
尿が出にくい(排尿障害)は、男性の場合は前立腺肥大症が疑われます。
尿が漏れる(尿失禁)原因は、4つに分けられます。
1つ目は、腹圧性尿失禁で、女性に多く、お腹に力が入った時などにもれてしまいます。骨盤底の筋肉の衰えにより起こりやすく、予防や改善には骨盤底の筋肉を鍛える骨盤底筋体操がおすすめです。
2つ目は、急に尿がしたくなったり、我慢できずにもれてしまう、夜間を問わず頻尿があるなどの切迫性尿失禁で、過活動膀胱を伴っている場合もあります。過活動膀胱の有病率は、40歳以上の男性7人に1人、女性の10人に1人と言われ、その症状は、突然我慢が難しい強い尿意を感じる(尿意の切迫感)、日中トイレが近い(昼間頻尿)、夜トイレのために起きる(夜間頻尿)、トイレに間に合わず、尿がもれる(切迫性尿失禁)などがあげられます。薬物療法で症状の改善が期待できますので、まずは泌尿器科医に相談してください。
3つ目は、自分で尿を出したいのに出ない、でも尿が少しずつでてしまう溢流性尿失禁で、男性に多く、代表的な疾患として前立腺肥大があります。
4つ目は機能性尿失禁で排尿機能には問題はないのですが、足腰の力が弱くなったり、認知機能が低下したりが原因にあげられます。
夜間頻尿は、泌尿器科の領域の膀胱蓄尿障害だけでなく、糖尿病や高血圧なども関連する多尿・夜間多尿、不眠やうつなども関連する睡眠障害などが原因の場合もあり、まずは状態を把握することが重要です。そのためには、3日間の排尿日誌(排尿した時間、尿意があってトイレに行ったかどうか、就寝中に尿意があって起きだしたかどうか、排尿した量、前回トイレへ行ってからの尿漏れ、排尿時の残尿感・痛みなど)をつけてみるとよいでしょう。
痛み(排尿痛)の原因としては、ほとんどが尿路感染で治療は抗菌薬投与です。
尿漏れや尿失禁は、日常生活に大きな支障を与えることも少なくありませんが、薬物や手術治療が十分に奏効しない場合もあります。そんな時に、尿吸収シート(尿とりパッド、紙パンツ、紙おむつなど)が、日常生活の支障を軽減することに役立つこともあります。尿吸収シートは日常生活の動作と排尿量に合わせて選びます。購入の際には、外袋に商品に関する情報が書かれているので、よく読んで購入しましょう(尿吸収シートの説明は、神戸市立西神戸医療センター 皮膚・排泄ケア認定看護師の櫻井三希子さんからお話をいただきました)。
尿のトラブルは医師にも周囲の人にも相談しにくいものですが、実は多くの方が悩んでおられます。日常生活に苦痛を感じたら一度受診をしてみてはいかがでしょうか。
今回は、定員を超える多くの方にご来場をいただきました。ありがとうございました。満席のため、ご入場をお断りした方には、深くお詫び申し上げます。
次回は、1月27日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「動物やペットから病気がうつる!?」、講師は神戸女子大学看護学部教授 宇賀 昭二氏です。

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