会長挨拶

会長挨拶

 
 

石原享介

 現在の健診は受診率の向上と確実な成果につなげることが以前から大きな課題とされています。

  まず受診率の向上ですが、例えば兵庫県の国民健康保険特定健診受診率は30%台前半と目標値70%以上を大きく下回っています。最近の受診率低迷の原因の一つに新型コロナウイルス感染症による受診抑制があります。当協会では3密を避けるなどの基本的予防策をはじめとして、健診関連の団体や学会などが発表した健診全般や各検査に関連する感染予防マニュアルやガイドラインを遵守して健診現場での予防対策を行い、幸い、これまでクラスターを来すことはありませんでした。これからも引き続き感染予防に努めますので、安心して受診していただきたいと存じます。

  コロナウイルス感染症の影響は健診の受診抑制にとどまらず、運動量の低下や食生活の変化など幅広い分野にわたる生活習慣の変化を来し、生活習慣病関連の多くの指標で悪化が見られています。また、がん検診では治癒につながる早期がんの発見数が低下し、大きな影響が懸念されています。まずは健診を受診し、現状を把握していただくことが大切です。当協会では、郵送による受診案内、一部の健診でのWeb活用、メタボリック症候群対策の特定健診とがん検診をセットにしたセット健診の推進など、より多くの方に受診していただけるようさらに改善を進めていきたいと考えています。

  次に健診結果の活用です。目標に向かって改善していく手法として“PDCAサイクル”がよく知られています。PDCAとは、改善の計画を立て(Plan)、実行し(Do)、結果を評価し(Check)、改善(Action)を実行するサイクルを回すことで継続的な改善につなげる方法を言います。健診の現場では健診結果が出たこと(Check)で満足し、Actionをすることなく次回の健診まで過ぎてしまう方をしばしば経験します。時には受診が必要な状態でも放置している方も見られます。当協会では、Actionの後押しを目的として、医師や保健師、看護師、管理栄養士による結果説明や保健指導を一部の健診で設けています。生活習慣の改善とその継続という行動変容は、時に大きな負担になると思いますが、今年こそ、ぜひ健康のPDCAサイクルを実行していただきたいと思います。

  これからも安心して受診していただけるように、感染対策の拡充のほか、検査精度の向上を図るとともに、より安全で負担の少ない検査を受けていただくことができるように、職員一同、さらに努力を重ねていきたいと考えています。

公益財団法人 兵庫県予防医学協会
会長 深谷 隆

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