会長挨拶

会長挨拶

石原享介

令和元年に当たって

『初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披らき、蘭は珮後の香を薫らす』
 いよいよ令和の時代の始まりです。あえて英訳するとBeautiful Harmonyだそうです。上手く言ったものです。さて、令和はどのような時代になるのでしょうか。国々が協調し、そして人々が幸せを実感し共有できる時代になることを願ってやみません。しかし、昨今の国際、国内情勢を見てみると、そう楽観的にもなれないようです。どのような時代になろうとも、人々の日々の営みは変わるはずもなく、その基が心身の健康にあることは言うまでもありません。
 公益財団法人兵庫県予防医学協会は、市民の健康維持・増進と福祉に寄与する目的をもって設立されました。日々、新しい医学情報の収集、技術の向上、予防医学の普及に努めており、様々な事業を通じて地域社会に貢献出来ればと考えています。具体的には、人間ドック事業、市民を対象とした特定健診、がん検診、特定保健指導などの地域保健事業、勤労者の健康管理をテーマとした産業保健事業、主に学童を対象に心臓検診などの学校保健事業、これらに加えて公益事業として予防医学啓発事業、調査研究事業、健康づくり事業などです。事業の本幹は各種健診であり、その目的とするところは疾病の芽を早期に発見し、介入し、それを摘み取り、よって健康寿命の延長に寄与することにあります。
 人が生物学的存在である以上、老い、病を得ていずれその生を終えるのは避け得ないことでしょう。『変えることの出来ない』事柄と、『変えることが出来る、何とかなるかもしれない』事柄を峻別し、それぞれが『何とかなるかもしれない』事柄にどう立ち向かい、どう克服していくのかが重要なのではないでしょうか。そうしてはじめて人は健康に暮らすことが出来、その結果として、健康寿命も延長するのだと思います。
 現役の勤労者、そしてその配偶者においては早期発見と、介入を目的とした生活習慣病健診が重要となります。現代人の健康維持・増進にとって、栄養バランスの崩れを伴う過食、運動不足、そしてストレスが問題となります。高血圧、肥満、糖尿、肝機能障害など定期健診でその存在を早期に認識することが必要です。生活習慣病は出来れば生活習慣の改善で克服されるべきとは考えますが、それほど簡単ではないことも周知の事実です。とりわけ自己管理が何より重要です。まずは適正な食事、そして何より運動が求められます。医療も必要になるかもしれません。出来るだけ早く始めるべきです。合併症が出てからではその克服は困難な場合が多く、退職後に暇ができてからでは遅いのです。
 人は齡を重ねるにつれ、がんの発症リスクは高まります。がんは残念ながら一部を除いて手術でしか完治しません。早期発見、早期治療が何よりも重要です。がん検診は若年からでも受診可能ですが、壮年、高齢者においてはその優先順位が高くなるのは必然です。今日、医学は飛躍的に進歩し、高齢者においても早期のがんは切除可能な時代なのです。
 わが国の平均寿命は世界的にみてもトップクラスの長さです。これは誇って良いと思います。問われるのは健康寿命の延長です。いかに快適に老後を送るかがそれぞれの人生にとって最も重要な課題であるはずです。かかりつけ医と相談し、定期的に健診を受けられることをお勧めします。そして運動です。特に下半身の筋力強化が重要です。これでこそフレイルを克服し、颯爽と胸をはって生きられるというものです。
 公益財団法人兵庫県予防医学協会は、定期健診によって不健康の芽を早期に発見し、早期に介入しそれを摘み取ることにより、人々の健康維持・増進が図られることを願い、日々、事業を展開しております。その結果、健康寿命の延長が達成されれば、それは何よりの喜びであり、これこそが公益財団である当協会の社会的使命であると考えております。皆様のますますのご理解とご支援をお願いする次第です。

会長 石原 享介

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