会長挨拶

会長挨拶

石原享介

このたび兵庫県予防医学協会の会長に就任しました。一言ご挨拶申し上げます。

昭和48年に神戸市立中央市民病院に研修医として採用されて以来、40数年のキャリアの全てを市民病院で過ごしてまいりました。疾病の洪水の中、昼夜を分かたず数多の患者さんそしてご家族と接し、その悲しみや喜びを共にしてまいりました。現役を退いた今、様々な場面が去来しますが、それは十分にお役にたてなかった患者さんご家族のことばかりです。

人が生物学的存在である以上、老い、病を得ていずれその生を終えるのは避け得ないことのように思います。「変えることの出来ない」事柄と「変えることが出来る、何とかなるかもしれない」事柄を峻別し、それぞれが「何とかなるかもしれない」事柄にどう立ち向かい、どう克服していくのかが重要なのだと思います。そうしてはじめて人は健康に暮らすことが出来、その結果として、健康寿命も延長するのだと思います。

人は歳をとるにつれがんになる確率は高まります。がんは残念ながら一部を除いて手術でしか治りません。つまり早期発見が何よりも重要です。がん検診不要論を言う識者もおりますが賛成できません。現在、呼吸器内科医として胸部レントゲンの読影を担当しておりますが、日々、定期検診の重要性を再認識しているところです。レントゲン写真の向こうにはそれぞれの人生があります。

現代人の健康維持・増進にとって、栄養バランスの崩れを伴う過食、運動不足、そしてストレスがまず問題となります。高血圧、肥満、糖尿、肝機能障害などなど定期健診でその存在の有無を早期に認識することが重要です。ストレスチェックも必要です。生活習慣病は出来れば生活習慣の改善で克服されるべきとは考えますが、それほど簡単ではないことも周知の事実です。自己管理が何より重要です。出来るだけ早く始めるべきです。退職後に暇ができてからでは遅いのです。

わが国の平均寿命は世界的にみてもトップクラスの長さです。これは誇って良いと思います。問われるのは健康寿命の延長です。いかに快適に、そしていかに颯爽と老後を送るかがそれぞれの人生にとって最も重要な課題であるはずです。

兵庫県予防医学協会は、健診によって不健康の芽を早期に発見し、早期に介入してそれを摘み取ることにより、人々の健康維持・増進が図られることを願っております。その結果、健康寿命の延長が達成されれば、それは何よりの喜びであり、これこそが公益財団である当協会の社会的使命であると考えております。皆様のますますのご理解とご支援をお願いする次第です。

会長 石原 享介

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