会長挨拶

会長挨拶

石原享介

 昨年の世相を表す漢字は「災」であったようです。様々な自然災害が日本列島を襲い、また世界各地での天変地異を見るにつけ、地球環境の確実な変調を感じざるを得ません。われらが住む水の惑星はどこへ向かうのでしょうか。
加えて社会的、政治的、経済的混乱があり、高齢少子化へ加速するわが国の行く末に悲観的にならざるを得ないのです。とりわけ尽きることのない理不尽な幼児虐待。その親達の発言、行動の未熟さを見るにつけ、通奏低音としての社会の劣化を感じざるを得ないのです。本来社会の模範となりリーダーたるべき人々の今日の有様。国会での粗くかつ低調な論議。軽い言説にあからさまな嘘、詭弁の数々、結局は自己保身。これらを許して来たわれわれにも責任はないのか。早朝から深夜まで、評論家、学者に加えて様々なジャンルのタレントによる無責任かつ扇情的な物言いのシャワーにさらされ、われわれは本質を見抜く力を失いつつあるのではとの思いがよぎるのです。
昨年は確かに厳しい年でありましたが、若いアスリートの活躍には希望を見ることが出来ました。災害時のボランティアの活動、特に多くの若者の参加に救われる思いがしたものです。また、本庶佑教授の「PD1分子」の発見とその後の免疫チェックポイント阻害薬としての臨床応用といった功績へのノーベル医学生理学賞の受賞には日本人として感動し、誇りに思ったものです。彼の凛とした古武士を彷彿させる風貌と物言い、日本男児ここにあり、素敵でした。
今上陛下のお誕生日における記者会見でのお言葉には一国民として心揺さぶられ、涙を堪えることが出来ませんでした。象徴天皇としてどうあるべきか、つねに国民に寄り添い、不幸な歴史への想いと真摯な行動。そして天皇としての旅に同伴された皇后への労いと感謝の言葉。そして国民にも。このような天皇を戴くことへの感謝と誇りを改めて実感した次第です。
今年は新たな天皇が即位され改元されます。新たな時代が始まるということです。どのような時代が来るのか、どのような国を創るのか、われわれも全く無関係ではなくそれ相応の責任が求められるでしょう。
社会の在りように敏感に、変えるべきものと、変えられないものを識別する見識。変えるべきものを変えようとする勇気が必要です。足下をしっかり見つめて生活することが必要となるでしょう。そして、何と言っても健康です。見識と勇気があっても不健康では話しになりません。健康寿命を延ばす為にそれぞれ何をなすべきかを考えようではありませんか。兵庫県予防医学協会は皆様の健康作りにささやかではありますが貢献したいと考えております。

会長 石原 享介

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