第518回土曜健康科学セミナーレポート
第518回土曜健康科学セミナーを、12月3日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「神経内科をご存知ですか」と題し、西神戸医療センター 神経内科部長 髙野真先生にご講演いただきました。
※西神戸医療センター神経内科についてはこちら(http://www.nmc-kobe.or.jp/departments/neurology.html)
神経内科は、脳神経や筋肉の疾患を診る内科です。精神科や心療内科と混同されることもありますが、「こころの問題」を専門にする科ではありません。
神経内科が専門とする病気は、脳血管障害(脳梗塞が中心)、認知症(アルツハイマー病、レビー小体病など)、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症、重症筋無力症の他、頭痛やてんかんなどさまざまです。
神経内科で診る代表的な疾患のひとつであるパーキンソン病は、ドーパミン含有神経細胞が変性・死滅していくことにより発症します。なぜ、ドーパミン細胞が死滅していくのかは、まだわかっていません。ドーパミン細胞が20~30%程度に減少するとパーキンソン病を発症します。通常でも、加齢により、10歳年をとるごとに平均10%程度のドーパミン産生細胞が減少すると言われています。つまり、加齢はパーキンソン病のリスクのひとつと言えます。
神経内科は救急医療から慢性期医療まで幅広くかかわっており、超高齢化社会の中でニーズはますます高まっています。しかし、専門医が少なく、全国平均で10万人当たり4.04人、兵庫県では2.87人しかいません。
最後に、神経内科が診る疾患では、まだまだ原因や治療法がわからないものが多いのですが、「わからない、直らない、でも、あきらめない」という精神で医療をすすめていきたいとまとめられました。
次回は、12月10日(土)13時半から開催いたします。テーマは、『「痛み」について知りましょう!』、講師は神戸大学大学院医学研究科 准教授 高雄 由美子氏です。