第523回土曜健康科学セミナーレポート
2月25日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、第523回土曜健康科学セミナーを開催いたしました。
今回のテーマは、「健康食品の落とし穴」です。
講師は神戸学院大学薬学部教授 岡本 正志先生です。
医薬品(医薬部外品)、ヒトの健康を損なうおそれのあるものを除くすべての飲食物を食品、ヒトまたは動物の病気の診断、治療または予防に使用される薬物を医薬品と定義します。つまり、健康食品はその形状が錠剤やカプセルだったとしても、医薬品ではなく食品に分類されます。
健康食品と医薬品・医療機器等法(旧、薬事法)では、健康食品はあくまで「食品」であるので、医薬品として認められるような効能、効果(薬効)は標榜できないと定められています。そのため、医薬品では血圧降下作用、高血圧治療薬というような書き方ができますが、健康食品では血圧が高めの方に適する食品というような書き方がされています。
医薬品は病気の人が対象で製品としての品質が一定です。医師や薬剤師の管理下で利用されます。健康食品は、健康な人が対象で同じ製品でも品質は一定とは限りません。その選択や利用は消費者の自由です。ですから、適切な情報収集がとても重要です。
医薬品と健康食品の簡単な見分け方は、医薬品なら「用法・用量」が1日○錠を○回いつに水またはお湯で服用してくださいと書かれています。健康食品の場合は、1日○粒を目安に水などと一緒にお召し上がりくださいと書かれています(その他、パッケージなどに、食品、健康食品、栄養機能食品などと書いてあるはずです)。
健康の保持・増進の基本は、健全な食生活・適度な運動・適度な睡眠の3つのバランスがとれていることです。健康食品は、健康増進の補助の役割をするので、医師、薬剤師、管理栄養士など医療の専門職に相談し、個人の生活に合せてうまく利用することをおすすめします。
次回は、3月11日(土)13時半から開催いたします。
テーマは、「超高齢社会における糖尿病」、講師は神戸大学大学院保健学研究科 地域保健学領域健康科学分野 教授 安田 尚史氏です。