第524回土曜健康科学セミナーレポート
第524回土曜健康科学セミナーを、3月11日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「超高齢社会における糖尿病」と題し、神戸大学大学院保健学研究科 地域保健学領域健康科学分野教授 安田尚史先生にご講演いただきました。
日本人の百寿者(100歳以上の方)の人数は、1963年には153人でしたが2016年には65,692人と50年ちょっとの間に約430倍にもなっています。
日本の平均寿命は、男性80.79歳(世界第3位)、女性87.05歳(世界第1位)ですが、健康寿命(介護を受けたり病気で寝たきりにならず、自立して日常生活に制限のない期間)との差が男性で約9年、女性で約12年あり、健康寿命の延伸が課題です。
高齢者が自立困難となる主な原因の上位が脳血管障害と認知症で、どちらも動脈硬化が関わっています。糖尿病は血管の病気と言われ、動脈硬化を引き起こしやすくなります。また、高齢者の糖尿病では、転倒や骨折、貧血、脱水、便秘など様々な症状が現れる老年症候群が2~3倍多いとも言われています。
2016年に日本糖尿病学会と日本老年医学会は、新しい高齢者糖尿病血糖コントロール目標を作成しました。高齢者の糖尿病の治療目的は、合併症の予防だけでなく、心身機能とQOL(生活の質)の維持です。個人に合わせた柔軟な目標で良好なコントロールを目指し、治療に取り組んでください。
次回は、3月25日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「糖尿病とその予備軍」、講師は神戸市立医療センター中央市民病院 糖尿病内分泌内科部長 松岡直樹氏です。