第543回土曜健康科学セミナーレポート
12月16日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、第543回土曜健康科学セミナーを開催いたしました。
今回のテーマは、「胆石症について」です。
講師は、神戸大学医学部附属国際がん医療・研究センター センター長味木徹夫先生です。
胆嚢結石症の保有率は約5%。関連因子として、肥満、食事、年齢、多産、胆道感染などがあげられます。
胆嚢結石には、コレステロールを主成分としたコレステロール胆石と細菌の感染を原因とした色素胆石があります。39歳以下ではコレステロール胆石がほとんどですが、40歳以降加齢とともに色素胆石の割合が増加します。胆嚢結石があっても腹痛、背部痛、発熱等の症状が出る人は約60%で、症状が出ない人も半数近くおられます。
症状がある場合は、症状の改善や胆のうがんの予防のためにも治療が必要です。治療には、内科的治療もありますが、外科的治療(胆嚢摘出)が一般的です。症状がなくても、神戸大の場合は、80歳以下で、多数の結石を有する、胆嚢壁の肥厚が見られる等のほか、有症状化の危惧がある場合、患者さんの希望が強い場合も手術を行います。
手術は、約80%が腹腔鏡を使用して行いますが、がんの疑いがある場合や重篤な心疾患を合併している場合など開腹手術でなければできないこともあります。
胆石症患者の受診時の平均年齢は1997年度56.3±13.6歳でしたが、2013年度63.9±15.3歳と高くなっています。20人にひとりの一般的な疾患です。気になる症状があれば、専門医を受診してください。
次回は、1月13日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「尿のトラブル解決&対処法-相談してみよう!尿漏れ、頻尿など」、講師は神戸市立西神戸医療センター 泌尿器科部長 伊藤 哲之氏です。