第554回土曜健康科学セミナーレポート
第554回土曜健康科学セミナーを、8月25日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「加齢による目の病気」と題し、神戸市立医療センター西市民病院 眼科部長 石田 和寛先生にご講演いただきました。
加齢とともにさまざまな症状が出現する目の病気について、盛りだくさんにお話をいただきました。
加齢によって起こる代表的な目の病気の代表は、老眼と白内障。
目がゴロゴロする・目やにが出るなどの症状の場合は、まつ毛など異物で眼球の表面の結膜や角膜が刺激されて生じていることが多い。
夕方以降に、ゴロゴロ・しょぼしょぼする場合は、ドライアイや眼精疲労が考えられる。
常に涙が溜まっている・目やにが多い場合は涙道の狭窄や閉塞が考えられる。
白目の部分が真っ赤になる結膜下出血は、原因不明であるがほとんどの場合は放っておいて問題ない。
黒目が白くなる老人環は視力に影響はないので治療の必要はない。
白目の表面を覆っている半透明の膜である結膜が、目頭(めがしら)の方から黒目に三角形状に入り込んでくる翼状片は、高齢者に多く紫外線が関係しているといわれている。白目の一部が黒目に伸びてきたように見えるのが特徴。
他にも、まぶたが下がる眼瞼下垂、眼が開かなくなる眼瞼痙攣、両目で見るとダブって見える両眼性複視、白内障手術後にまたかすむ後発白内障、虫のようなものが動いて見える飛蚊症などもある。
加齢によって黄斑部の色素上皮細胞に障害が生じ見たい所が見にくくなる加齢黄斑変性は、iPS細胞を用いた再生医療が今後期待されている。
視野が狭くなる緑内障は失明原因の第1位。
いずれの場合も、違和感や異常があれば眼科を受診すること。
今回の講演ではさまざまな目の疾患についてお話をいただきましたが、とても全部は覚えきれず、先生のご講演にあったとおり、気になる症状があれば早めに眼科を受診することが大事なようです。
次回は、9月22日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「健康長寿のための食生活の改善」、講師は甲南女子大学 医療栄養学部 教授 宇佐美 眞氏です。