第559回土曜健康科学セミナーレポート
1月12日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、第559回KOBE健康くらぶ土曜健康科学セミナーを開催いたしました。
今回のテーマは、「ヘリコバクター・ピロリ感染と胃がん-胃がんにならないために-」です。
講師は、神戸大学大学院医学研究科 消化器内科学分野特命教授 梅垣 英次先生です。
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、胃がんの原因のひとつである。感染者の多くは、子どもの頃に井戸水など経口感染で感染していると考えられる。
ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こる。長期間感染が続くと、胃粘膜の感染部位が広がり、胃粘膜全体に広がって慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)になる。ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎が、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎を引き起こし、その一部が胃がんとなる。
そのため健康診断などの機会に、ピロリ菌に感染していないかどうかを検査し、感染していた場合は除菌を行うこと。除菌ができれば、慢性胃炎の症状が改善されることが多い。
ただし、ピロリ菌が除菌できたからといって安心せず、定期的に内視鏡などで必ず胃の状態をチェックしていくことを忘れないでいただきたい。
胃がんが見つかった場合でも、リンパ節転移の可能性がほとんどなく、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にあると、お腹を切らずに内視鏡を使った低侵襲の治療ができる。そのためには、早期発見が大切。
会場からの質問にも丁寧にお答えいただきました。
次回は、2月9日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「いつまでも歩けるために ロコモティブシンドロームと骨粗鬆症」、講師は神戸大学大学院医学研究科 リハビリテーション機能回復学分野特命教授 酒井 良忠 氏です。