第564回土曜健康科学セミナーレポート
第564回土曜健康科学セミナーを、6月8日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「加齢による難聴の傾向と対策」と題し、神戸市立医療センター中央市民病院 副院長・耳鼻咽喉科部長 内藤 泰先生にご講演いただきました。
加齢とともに聴力は低下し、65歳以上の高齢難聴者は全国で約1500万人、高齢者では難聴があるのが普通である。女性よりも男性の方が低下しやすい。
加齢による難聴の傾向は、
・小さな音が聞こえない(単純な難聴)
・「音」はわかるが「コトバ」がわからない
・周りが騒がしいと言葉がわからなくなる
・会話の中にわからない部分がある
・速い話についていけない
・他のことに気をとられると理解できなくなる
・頑張らないと理解できない
これらは、耳の加齢だけでなく脳の加齢にも原因がある。
したがって、加齢による難聴の対策は、
1.耳に対しては、補聴器、人工内耳で加齢による機能の低下を補う。
2.認知機能(脳の加齢)に対しては、運動や食事など認知機能を鍛える生活を心がける。
補聴器に関しては、耳鼻科での検査と専門的アドバイスを必ず受けること。効果が実感できるまでに数か月かかると理解し、慣れるまで頑張って使うことが大事(眼鏡のようにすぐに効果が実感できるわけではない)。慣れると離れられないほど有効性が実感できる。
日本耳鼻咽喉科学会では、難聴の患者さんが適切な補聴器を利用できるようには補聴器相談医を委嘱しているので、ホームページなどで確認して補聴器相談医の先生を受診するのもよい。
内藤先生はご自身でも補聴器を使用されているので、体験談も含め大変参考になりました。
多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。
次回は、7月13日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「がんで死なないために-効果的ながん検診の受け方-」、講師は国立がん研究センター中央病院 放射線診断科科長 楠本 昌彦氏です。