第570回土曜健康科学セミナーレポート | 兵庫県予防医学協会のブログ

第570回土曜健康科学セミナーレポート

12月14日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、第570回健康創造都市KOBE土曜健康科学セミナーを開催いたしました。
今回のテーマは、「機嫌よく長生きするための「健康ダイエット」-肥満専門医が伝えたい3つの大切なこと-」、講師は神戸市立医療センター西市民病院 糖尿病・内分泌内科部長 中村 武寛先生です。
なぜ、体重が増えるのか。ざっくり言うと、食事からの摂取エネルギーと基礎代謝+運動による消費エネルギーのバランスが崩れるからです。
しかし、肥満の原因には遺伝子も大きく関係するので、必ずしも「太っている人は、摂取エネルギーが多い」ということはありません。
肥満を解消するために大切なことは、現状の把握です。そして、血縁者も含めて自分以外の他人とは比べないこと。遺伝子、環境、生活スタイル、個人それぞれに違いがあり、他人と比べても意味はないのです。
機嫌よく長生きするダイエットに大切なことの1つ目は、「昨日までの自分と比べることです。
医師に「少しやせるように」と言われた場合、「少し」はどのくらいか、それは現在の体重の3%と思ってください。3%の減量のために、昨日の自分を振り返って何か始めることが大切です。ただし、体重は1日1日の積み重ねなので、すぐには効果が上がりません。食品の種類を多く、3食規則正しく、成分表示を見て、食物繊維を多く、ゆっくりよく噛んで-など当たり前のことを継続していくことです。
大切なこと2つ目は、「多く摂りすぎている栄養素があれば、減らす」。取り組むことに関しては、客観的に見るようにしましょう。まず、自分の食生活を振り返り、炭水化物の重ね食い(ご飯と麺類など)があればやめる、甘い物の摂り過ぎを控えるなどです。
運動を始めると、脂肪の組織量は減りますが筋肉量が増えるため、「はじめ」は体重が減りません。そこでめげずに、有酸素運動と筋トレを組みあわせて続けていくこと。頑張り過ぎは禁物です。機嫌よく長続きすることが優先事項です。体重に影響する要因は、遺伝子>>食事>運動。糖尿病や肥満症という疾患について本人が悪いなどはありません。「食べてはいけないもの」はないし、「ひとつの食品で健康になれる」ということもありません。ポイントは「正しい情報を知る」ことです。
機嫌よく長生きするダイエットに大切なことの3つ目は「間違った情報に注意!悩んだら医療者に相談を」です。
西市民病院糖尿病チームでは、「より多くのかたに元気で機嫌よく長生きしてもらう」をコンセプトに、各種啓発活動をおこなっているそうです。
今回は楽しく面白く、正しい情報・知識を得るいい機会になりました。
中村先生には、会場からの質問にも丁寧にお答えいただきました。
次回は、1月25日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「薬と上手に付き合うために」、講師は神戸大学医学部附属病院 准教授・薬剤部長 矢野 育子氏です。

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