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第520回土曜健康科学セミナーレポート

第520回土曜健康科学セミナーを、1月14日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「食道・胃・大腸がんの外科手術」と題し、神戸大学大学院医学研究科 外科
学講座食道胃腸外科学分野 教授 掛地 吉弘先生にご講演いただきました。
部位別のがん罹患数をみると、食道、胃、大腸のがんが、男性の約4割、女性の約3割を占めています。消化管のがん発生に関与する代表的な因子は食物と喫煙です。中でも、食道がんでは、喫煙とアルコール、熱い飲食物、胃がんでは、高塩食品(塩魚・漬物)、米穀類、熱い飲食物、大腸がんでは、高脂肪食(肉類)、アルコール、低繊維食が挙げられます。いずれのがんも早期発見できれば、内視鏡的粘膜剥離術治療など低侵襲な治療が選択できます。
食道がんの症状は、嚥下困難、しみる感じがする、声がかれる等で、気になる症状があれば上部消化管内視鏡検査を受けてください。
胃がんは、早期の場合は無症状のことが多いため、胃がんの大きな原因であるピロリ菌の有無を検査し、陽性の場合は除菌をするとよいでしょう。ただし、ピロリ菌の感染歴が長い方は、除菌しても定期的に検査する必要があります。胃がんの手術は、以前は開腹手術が主でしたが、最近は内視鏡や腹腔鏡手術が増加しています。
大腸がんも胃がんと同様に早期は無症状のため、大腸がん検診の受診が大切です。「便潜血検査2日法」を毎年受診していれば、早期に発見できる率が高くなります。
がんから命を救う根治的治療は外科手術で、これまでの開腹手術から腹腔鏡手術、ロボット手術など、術式も進歩しています。以前は考えられなかった高齢の方が手術を受けられることも多いそうです。
手術のビデオなども見せていただきながら、掛地先生に消化管のがんの外科手術についてお話いただきました。
一生のうちに、2人に1人は何らかのがんにかかる時代です。生活習慣を見直しがんを予防するとともに、がん検診を受診し早期発見を心がけましょう。

 

 

 

次回は、1月28日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「免疫のしくみ」、講師は神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科医長 岡藤 郁夫氏です。

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