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第571回土曜健康科学セミナーレポート

第571回土曜健康科学セミナーを、1月25日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「薬と上手に付き合うために」と題し、神戸大学医学部附属病院 薬剤部教授・部長 矢野 育子先生にご講演いただきました。
薬を正しく使うためには、今ご自身が服用している薬について、1.この薬は何のために飲むのか、2.この薬をどのように飲むのか、3.この薬を飲んで、何か不都合なことは起こっていないか―の3つの質問に答えることができれば合格と言えます。
1.この薬は何のために飲むのか:薬を処方される時に、かかりつけ医や薬剤師が説明したり、薬の情報(名称、効能・効果、用法・用量、副作用などの注意事項)が書かれた用紙が渡されたりします。とても大切なことなので、ご自身できちんと確認し、不明な点は薬剤師に尋ねてください。
2.この薬をどのように飲むのか:食前、食後など決められた時間に、決められた分量を、必ず包装から外し、体を起こして十分な量(コップ1杯が目安)の水またはぬるま湯で飲みます。錠剤をつぶしたり、カプセル剤の中身を取り出して飲んではいけません。
3.この薬を飲んで、何か不都合なことは起こっていないか:薬の作用はひとつではなく、またどんな薬にも副作用はあります。ただ、副作用は薬によって起こる頻度は異なり、必ずしも悪いものばかりではありません。早めに処置すると問題のないことが多いです。副作用のリスクを避けるためには、医師や薬剤師から「他に使っている薬はないですか?」と尋ねられた時には、飲み薬だけでなく、貼り薬や目薬、健康食品やサプリメントについても話してください。一緒に飲むことで、薬の効き目を強くしたり、弱くしたりするものもあります。正しい情報を伝えるために、ぜひお薬手帳を活用してください(お薬手帳を複数持っている方は、1冊にまとめてください)。
後発医薬品(ジェネリック)は、先発品と同じ有効成分の薬です。国の許可を得て、効果が同じことが認められています。味や飲みやすさ、使用感が先発品よりも良いものもあります。開発にお金がかかっていないので、値段が安く、国の財政にも協力できます。かかりつけ医と相談し、上手に使いましょう。
最も大切なのは、薬を飲むことで、かえって調子が悪くなっていないかを確認することです。もしそうなら、かかりつけ医や薬剤師に処方を見直してもらってください。薬を減らしたり、変更できる場合もあります。話しやすい薬剤師を見つけて、相談することをおすすめします。
次回は、2月8日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「グローバル化時代の感染症」、講師は神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科医長 土井 朝子氏です。

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