病理細胞診

病理細胞診

細胞診とは、採取された細胞を顕微鏡で観察し、その形態学的所見から異常細胞を検出する検査法です。病変の有無の判定および病理組織学的診断を推定することを目的とし、専門の資格を有する細胞検査士と細胞診専門医が実施します。

細胞診は検体採取が比較的容易で患者負担が少ない、特徴的な所見がある場合は病理組織診断を反映するなどの利点があり、がん検診等に用いられています。科学的に有効と証明されたがん検診の方法には、子宮頸部細胞診と、肺がん検診において胸部X線と併用される喀痰細胞診があります。

検査項目

子宮頸部細胞診

子宮頸がん検診において実施される子宮頸部細胞診の標本作製方法は、細胞を液体で固定する液状処理細胞診(LBC)を採用しています。子宮頸部の粘膜表面の細胞をブラシ等で擦り採り、専用の容器に入った保存液に浸けて固定します。専用機器を用いて塗抹標本を作製し、パパニコロウ染色を施して顕微鏡で観察します。結果報告書に記載する判定基準は、ベセスダシステムを用いています。これは、検体の適否評価、診断の記述式記載、子宮頸がんの主な原因とされるヒトパピローマウイルス(HPV)に対応したもので、国内および国際標準となっています。

喀痰細胞診(3日蓄痰法)

肺がん検診における喀痰細胞診は、胸部X線検査では発見が難しい、気管や太い気管支の早期がんを検出することを目的に、ハイリスク者に併用されます。保存液の入った容器に3日間の早朝の喀痰を採取し、遠心分離で細胞を集め、塗抹、染色して顕微鏡で観察します。判定基準はA~Eの5段階で表され、X線検査結果との総合判定で報告されます。

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