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第560回土曜健康科学セミナーレポート

第560回土曜健康科学セミナーを、2月9日(土)13時半から健康ライフプラザ5階で、開催いたしました。
今回は、「いつまでも歩けるために ロコモティブシンドロームと骨粗鬆症」と題し、神戸大学大学院医学研究科 リハビリテーション機能回復学分野 特命教授 酒井 良忠先生にご講演いただきました。

要介護や寝たりきりになる原因に、脳卒中、老年性の虚弱(フレイル・サルコペニア)、骨折・骨粗鬆症、関節疾患(変形性膝関節症など)があげられます。これらは、“動けなくなるけれど死なない病気”です。

高齢になると、歩行速度の低下や歩幅の減少、片足支持時間(片足で立っていられる時間)の低下が起こります。このような、筋力、バランス能力の低下のほか、骨・関節・神経の疾患、転倒・骨折などで移動能力が低下した状態をロコモティブシンドロームと言い、以下のロコチェックの項目の中で1つでも当てはまればロコモティブシンドロームの可能性があります。
・家の中でつまずいたり滑ったりする
・階段を上るのに手すりが必要である
・15分くらい続けて歩くことができない
・横断歩道を青信号で渡りきれない
・片脚立ちで靴下がはけなくなった
・2kg程度の買い物(1ℓの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
・家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

ロコモティブシンドロームの予防のためには、ロコトレを行いましょう。

ロコモティブシンドロームの原因のひとつに骨粗鬆症があります。「いつの間にか骨折」と言う言葉を聞かれた方もあると思いますが、骨粗鬆症には自覚症状がなく、骨折して初めてわかる方が多くおられます。そのためには、まず検査で骨密度を測定することです。予防のためには、カルシウム、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンKを不足しないように摂取することと、適度な日光浴を行うことが必要です。ビタミンDは鮭などの魚類に多く、ビタミンKは納豆やブロッコリーに多いので、納豆を積極的に食べることをおすすめします。
昨年設立された「NPO法人予防 ひょうご骨を守る会」では、骨粗鬆症の知識の啓発や検診の推進などを行っています。

いつまでも歩けるためには、普段から身体を動かし外に出ること、食事は食べ過ぎよりも食べないことがよくないと意識する。下肢の筋力、柔軟性とバランス能力を意識し、もし心配なら整形外科に行くことも意識してくださいとお話をいただきました。
寒い中をたくさんの方にご参加いただきました。
次回は、3月9日(土)13時半から開催いたします。テーマは、「膝や股関節の痛む人たちへ-人工関節のことなど-」、講師は神戸市立西神戸医療センター 整形外科部長 吉田 圭二氏です。

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